1.この教材の目的

「IoTシステムを簡単に作りたい」「早く、安くIoTシステムを試してみたい」と考えたとき、M5Stackはとても使いやすいデバイスです。公式のセンサーユニットをUIFlowでプログラミングすれば、慣れれば数分でデータを確認できてしまいます。

一方で独自のIoTシステムを作る場合は、公式以外のセンサーを利用したり測定したデータを自在に保存して活用したい場面も多くあります。

この教材では、公式以外のセンサーとの接続方法や、標準のUIFlowにはない機能を追加できるカスタムブロックの活用、測定データをCSVファイルとして保存する方法などについて具体的な例を挙げて紹介します。教材向けに開発した便利なカスタムブロックを紹介していますので、ぜひ実践の場でも活用してください。

さらに他のデバイスとの連携や、データベースを活用したセンサーデータの蓄積、可視化を行いたい方は「ノーコードIoT」をお試しください。Raspberry Pi上へのデータベースの構築やMQTTを使った通信、PCのブラウザで表示できるデータの可視化方法について紹介しています。

また、M5Stackを使った開発にはいくつかの方法がありますが、この教材及び「M5Stack入門」「ノーコードIoT」ではすべて開発環境にUIFlowを使っています。

UIFlowは非常に優れた開発環境で、とても扱いやすいビジュアル言語です。M5Stackの公式センサーユニットやモジュールを制御する場合はUIFlowだけで事足りるほか、他の機器との通信や連携についても多くの機能を利用できます。プログラムに慣れていない方へは入門用として、すでにプログラミングに慣れている方に対しても開発時間の短縮を図れる開発ツールとしてお勧めします。

2.教材の構成

この教材では各章ごとにセンサーやユニットの活用方法について紹介しています。実際にセンサーやユニットを動かしながらM5Stackを使いこなす方法について学んでください。

第2章ではアナログの電圧信号を読み取ります。産業用機器には電圧信号を出力できるものが多くありますので、このテクニックを学ぶと、産業用のセンサーをM5Stackで利用できるようになります。

第3章では三種類のCO2センサーの扱い方を紹介しています。すべて社外品のセンサーですので、UIFlowの標準機能では使用できませんが、ライブラリとカスタムブロックを活用することでUIFlowからでも使用できるようになります。いずれかお好みのセンサーでお試しください。

第4章では読み取ったデータをグラフ化します。M5Stackはコンパクトでバッテリー駆動もできることから、場所を選ばず使用できます。いろいろな所で採取したデータを、その場でグラフ化できると活用の幅が広がります。カスタムブロックを使用して、集めたデータを簡単にグラフ化します。

第5章ではM5Stackで時刻データを活用する方法を学びます。センサーからデータを採取した際、測定した時刻も併せて記録できるとデータ活用の幅が広がります。

第6章では測定したデータをマイクロSDカードに保存する方法を学びます。第5章で学んだ時刻データの扱い方を活用し、時刻とセンサーデータをCSVファイルとして保存します。

一連のテクニックを学ぶことで、集めたデータを表示するだけでなく、蓄積して活用することができる様になることを目指します。

3.必要とする知識

この教材は、次の事が出来る方を対象としています。

  • 一般的なパソコンの使用方法を理解している。
    • パソコンのソフトウェアのインストールができる。
    • ブラウザでウェブ閲覧やファイルのダウンロードができる。
    • エクスプローラーでファイル操作ができる。
  • M5Stackの初期設定を行う事ができる。
  • UIFlowの基本的な使い方がわかる。

M5Stackをまだ触ったことがなく、セットアップの仕方がわからないという方は、ツクレルの教材『M5Stack入門』をご覧ください。

4.使用する機材

必要となる機材について紹介します。各章の内容を実際に試す場合は必要となりますので、別途入手してください。
全体を通して使用する「M5Stack Basic」は1つあればOKです。

第2章 アナログセンサーからデータを読み取ろう 

機材名主な購入先
M5Stack Basichttps://www.switch-science.com/catalog/7362/
M5Stack用電圧計ユニットhttps://www.switch-science.com/catalog/6740/
M5Stack用回転角ユニットhttps://www.switch-science.com/catalog/6551/
GROVE – 4ピン – ジャンパメスケーブル (5本セット)https://www.switch-science.com/catalog/1048/

第3章 CO2センサーを使おう
CO2センサーのうち「M5Stack用CO2モニターキット」はハンダ付けが必要です。

機材名主な購入先
M5Stack Basichttps://www.switch-science.com/catalog/7362/
M5Stack用CO2モニターキット (個人出品) ※1https://www.switch-science.com/catalog/6923/
Grove – SCD30搭載 CO2・温湿度センサ (メーカー品) ※1https://www.switch-science.com/catalog/7000/
CO2センサーモジュール MH-Z19C ※1https://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-16142/
ジャンパワイヤ オス – メス (またはメス – メス) ※2https://www.switch-science.com/catalog/209/
https://www.switch-science.com/catalog/56/

※1 … CO2センサーはどれか1種類の中から使いたいものを選んでください。
※2 … MH-Z19Cを使う場合に必要です。

第4章 データをグラフに表示しよう

第4章で必要となる機材は第3章と同じです。

第5章 タイムログをとろう

機材名主な購入先
M5Stack Basichttps://www.switch-science.com/catalog/7362/
M5Stack用HYM8563搭載 リアルタイムクロック (RTC) ユニットhttps://www.switch-science.com/catalog/7482/

第6章 データをマイクロSDカードに記録しよう

この章ではマイクロSDカードとマイクロSDカードリーダーを使用します。マイクロSDカードは16GB以下の容量のものを使用してください。マイクロSDカードリーダーは作成したデータをPCで読み込むために使用します。リンク先のカードとリーダーは教材作成時に使用したものですが指定するものではありません。任意のマイクロSDカードとリーダーを使用してください。

機材名主な購入先
M5Stack Basichttps://www.switch-science.com/catalog/7362/
マイクロSDカード (16GB以下)https://www.amazon.co.jp/dp/B07BQ2ZV28
マイクロSDカードリーダーhttps://www.amazon.co.jp/dp/B009D79VH4

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